Cocoです。
酸素解離曲線のグラフから、肺胞と組織の酸素ヘモグロビンの割合は求めることができる。
けれど、そこから先の問題がどうにもこうにも意味不明で解けない・・・。
という方のためのメモを残しておきたいと思います。
なお、ここでは、グラフから
- 肺胞の酸素ヘモグロビン割合が95%
- 組織の酸素ヘモグロビン割合が35%
というところまでは読み取れた、という前提のもとで解説していきますね。
問題(1)組織で酸素を解離した酸素ヘモグロビンは何%?
ヘモグロビンは二酸化炭素濃度が低いところ(=肺)では酸素とくっつく性質があります。
そして二酸化炭素濃度の高いところ(=体の各組織)ではくっつけた酸素を手放して、酸素を組織に渡します。
で、酸素解離曲線は「二酸化炭素濃度の低いところ」「二酸化炭素濃度の高いところ」の2つのグラフが出てきていると思います。
今回は仮に、肺胞の酸素ヘモグロビンが95、組織の酸素ヘモグロビンが35という数字にしました。
グラフから数字は読み取れた前提です。
じゃあ、その差(95-35)である60はどこに行ったのか?
それが、「組織に酸素を渡した酸素ヘモグロビンの量」です。
だから、組織で酸素を解離した(=手放した)酸素ヘモグロビンは、60%ということになります。
おそらくここまではみなさん解けると思います。
教科書にも(必要ないと思うんですが)公式みたいに書かれてますしね。
で、大混乱が起きるのはここから先の問題。
問題(2)組織で酸素を解離した酸素ヘモグロビンは、肺胞の酸素ヘモグロビンの何%か?
「いやさっき60って出したんだから60%でしょ」という声が聞こえてきそうですが、そうすると間違えてしまいます。
で、問題集の解説を読むと、ちょっと意味の分からない計算をしているわけです。
「なんでこうなるのぉぉぉ!」
「この計算はいったいなんなのぉぉぉ!」と頭を抱えてしまいたくなると思うんですよ。
でもこれ、冷静に考えてみてください。
単なる小学校5年生の「割合」の単元の基本的な問題とまったく同じなんですよ。
問題文の日本語がちょっと長いのでややこしくみえるだけ。
高校生でこの生物の問題の解説が意味不明だ!と頭を抱えている方。
そんな方であれば、例えばね、こんな問題ならサクッと解けると思うんですよ。
「3mは12mの何%ですか」
12mが全体量(つまり100%の量)で、そのうち3mは何%?という問題。
だから、小学校の割合の計算で考えると、
3÷12×100=25%
なんて形で解くことができます。
あるいは、もしも割合の計算が苦手なんだとしたら、
12m(=全体量、つまり100%)だから、3mをx(%)とおいて、
12m:100%=3m:x%
と比にしてしまって、
12x=300
x=25
なんて解き方をするのもアリです。
12mが全体量(=100%)ですので、それを利用して比で解きます。
問題(2)に戻りましょう。
組織で酸素を解離した酸素ヘモグロビンは、肺胞の酸素ヘモグロビンの何%か?
ちょっとばかり日本語が長ったらしくなっていますが、
「3mは12mの何%ですか」
と、まるっきり同じですよね。
ここで、組織で酸素を解離した酸素ヘモグロビンは、問題(1)で求めたとおり60、
肺胞の酸素ヘモグロビンは95でしたから、
結局この問題が聞いているのは
60は95の何%か?
ということになります。
ね?これなら小学校5年生の問題でしょ?
95が全体量(=100%)で、60は何%にあたりますか?という問題なので、
60÷95×100
をして求めてもいいし、
この割り算が嫌いで仕方ないならば、60のときの割合をxとおいて、
95:100=60:x
を解いてxを求めればいいだけです。
(式の書き方が異なるだけで、結局計算はどちらも同じになります)
あとは計算ミスだけ気をつければ解けると思います。
ということでここまでが初歩の問題。
でも定期テストレベルであれば、ここまで解ければひとまずは問題ないと思います。
国公立大や難関私大を受験する方は、この先の酸素が何mLあって1分あたりの血液量が何mLで・・・みたいな複雑なものにもどんどんチャレンジしていってください。
母体と胎児の酸素解離曲線の違いがどうのこうの問題も頻出です。
リードαやセミナーのような問題集にはわんさか掲載されていますので、どんどん解いて理解を深めていってください。
そもそも、小学5年生の割合がわからん!という方は、
小学5年生の算数 【割合(割合・比べる量・もとにする量の意味と求め方)】 練習問題プリント|ちびむすドリル【小学生】
ここの問題を一度やっておくといいですよ。
化学にしろ生物にしろ、「理科」系科目は割合の問題が必須なので、先に「割合の基礎」を固めておくと、計算に対するイヤな気持ちがぐっと低くなります。
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