Cocoです!
中学生の数学において、計算ミスに対する相談というのは定番中の定番の相談です。
そしてアドバイスする側も「真剣に取り組む」とか「練習を重ねる」のような精神論…つまり根性でどうにかしなさい、というようなものが多いです。
もちろん、真剣に取り組めばミスは減りますし、練習することによって計算力は上がっていきます。ただ、単に「真剣に取り組む」「練習を重ねる」ではミスをなくせないことも実際多いです。
今回はそんな、計算ミスがどうしても減らせないあなた、計算ミスをどうすれば減らせるかについて悩んでいる方へ、計算ミスが起こる主な原因とそのアドバイスを書いていきます。
今、計算ミスを減らしたくて悩んでいる方には役立ちますので、ぜひ読んでみてください。
同じタイプのミスをする子どもは計算ミスが減らない
計算ミスする子どもの中には、同じタイプのミスが多い子どもがいます。
何度やっても同じようなミスをします。このタイプの子の場合、真剣に取り組んでも、何度練習を重ねても、計算ミスが減らないことがままあります。
このような子どもに対して指導する際に注意すべきなのは
- そのミスがどういったミスかを自覚させる
- そのミスに至る原因を究明する
- 克服法を指導する
この3点。その上で練習しないとあまり効果はないのです。
もちろん、単に練習させるだけというのは無駄ではありません。ただ定着がきわめて遅くなるので、あまり意味がありません。
計算ミスの原因を分類してみると
計算ミスの原因を分類してみると、小学校低学年の算数の段階でつまづきがあるケースがかなりあります。
計算ミスの原因(1)足して10になる組み合わせが覚えきれていない
計算の基本は足して10になる組み合わせです。1と9、2と8、3と7など。
これを瞬間的に問われると、答えられなかったり間違えてしまう組み合わせがあったりします。足して10になる組み合わせで答えられない・間違える、ということがある場合、その組み合わせを利用して解かなければならない計算で間違いが起こりやすくなります。
計算ミスの原因(2)繰り上がり、繰り下がりを忘れる
これも多いパターンです。ここで間違う子は何度でも間違います。
繰り上がり、繰り下がりに特化した計算練習をつまない限り、練習を繰り返してもあまり効果をあげることはできません。
過去に指導した中学3年生の中には、何度やっても6+7、8+7を間違える、という子がいました。このような子の場合、計算の過程で6+7、8+7を使う場合は必ずその問題だけ間違えていました。
計算ミスの原因(3)九九の覚え違い
特定の九九の覚え違いです。特に多いのは「4の段」と「7の段」です。
「4の段」と「7の段」を使う問題だけ、ミスが多くなるわけです。
ただこれも生徒によって覚え違いの段が異なることがあります。いま指導している生徒のひとりは「3×7」「3×8」が出てくる計算でいつもミスをします。
九九の覚え違いは計算ミスを頻繁にしてしまう子にきわめてよく見られますので、なぜ覚え違いが発生するのかについても後述します。
計算ミスの原因(4)計算の順番が違う
( )、+、-、×、÷ の四則演算です。
原則として計算するときの優先順位は
- カッコの中
- ×、÷
- +、-
となっています。これが頭に入っていないためにすべて前から計算していったり、あるいは自分が簡単に計算できそうだと生徒本人が思い込んだところから計算を始めたりします。
九九の覚え違いに関して考えること
「4の段」「7の段」に関する九九の覚え違いが頻繁に起こってしまうのは、「4の段」「7の段」が子どもにとって覚えにくい段だからです。
4の段と7の段を暗唱するときの滑舌(かつぜつ)の問題です。
7の段は、「しちいちがしち」「しちにじゅうし」などと発音します。 さ行の多い発音は、日本人には発音が難しいのです。
さらに困ったことに、4の段と7の段は、イ段の音が連続して現れるという特徴があります。発音の難しい「し」「ち」に加えて、イ段の「に」などが頻繁に出てくる4と7の段は、とりわけ幼い子どもにとっては極めて発音しづらい段なのです。
実際に声に出してみるとわかりますが、2の段や9の段などの他の段と比べると、4の段と7の段は声に出すときの発音が難しくなっています。 特に、「しちしちしじゅうく」は、多くの人が舌を噛みそうになるくらいです。
つまり、7の段を覚えるには、声を出す出さないに限らず、繰り返し繰り返し言うには困難を伴うのです。当然、間違えて覚える割合も他の段に比べて大きくなるわけです。
また、7という数は、2や5や9などに比べ繰り返し同じ数を加えていく時の難しさも違います。
2や5や9の段などは、かけ算の仕組みを理解していれば、もし九九を忘れてもすぐ答えを見つけやすいのです。
計算ミスの原因が見つかってからの対策法
ミスの原因がはっきりした場合、ミスが起こりやすいところに絞って毎日継続して計算練習を行います。
例えば「足して10になる数の組み合わせ」で間違える場合、0~9までの10枚の数字カードを作り、そこに書かれている数字と対になる数をできるだけ速く言う、というのを繰り返します。問題集形式のほうがいいのであれば、以下のような問題集を1日5枚ずつやっていく、というのでも対策可能です。
足して10になる数の組み合わせにしても、繰り上がり・繰り下がりの計算にしても、九九に関しても、小学校1~2年生で学んでいることです。
この時期に学ぶことは算数・数学の根幹となる部分ですので、いつ、どんなときに計算問題を出されても瞬間的にかつ100%正確に答えることができる、ということを目指してください。
「学び舎」というサイトの計算100題を利用してもいいでしょう。中学生以上であれば、余りのある割り算以外はすべて100題を1分40秒以内に全問正解できるというのが目標です。2分を超えるようであれば、小学校低学年の計算がきちんと頭に入っていません。
私の塾で一番速く正確に解く生徒で、だいたい1分20秒くらいでできます。