Cocoです!
大人の英語学習にしても中学生や高校生の学習にしても、効率よく学習したいと考えるのは当然のことです。
でも、同じ時間学習したとしても、結果には差が出てきてしまいますよね。
今回考えたいのは自分を客観的に分析できる力、メタ認知能力です。
メタ認知能力がある人は早く伸びます。
今日はそんなお話を書いていきます。
塾や家庭教師で指導していて感じること
例えば数学の計算において、私がいつも生徒に言っていることがあります。
計算ミスをしたときに、なぜ間違えたのかだけでなく、自分はどこで間違いをしやすいのかということに視点を置くように
ということです。
「自分がミスをする傾向を知り、どうすればミスを防げるか」を考えさせることに重点を置いています。
学力の低い生徒を指導しているときによくあるのはこのような会話です。
「何が分からないの?」と質問すると、「全部分かりません」と答えたり、「数学!」「関数!」というように、大雑把な答えしか返ってきません。
でも、大雑把な答えでも何かしら返ってくるならまだいいほう。
自分が分からないところが分からない、と言われることもままあります。
なぜ、大雑把な答えしか返ってこなかったり、自分が分からないことが分からない状況になってしまうのでしょうか。
それは、「自分は何ができて何ができないのか」「どうすればできるようになるか」を認知するはたらきが身についていないからです。
言い換えれば、自分を客観視する力。これが圧倒的に足りていないのです。
メタ認知能力とは
勉強ができるようになるためには、「自分を客観視する力」が必要不可欠です。
自分を客観視する力とは、自分の行動や性質を客観的な視点からよく観察・分析し、
それに対しての対策法を講じる力のことです。
その自分を客観視する力のことを「メタ認知能力」と言います。
人はメタ認知によって、自分の能力を見きわめ、自己の限界や弱点、不足している部分などを理解することができます。
学力の低い生徒は、たいていこのメタ認知能力が圧倒的に不足しています。
メタ認知能力は伸ばすことのできる「スキル」
メタ認知能力は、生まれ持った才能ではなく訓練によって培うことのできるスキルだ、と言われています。
意識して訓練することで、ある程度成長してからでもメタ認知能力は発達していきます。
メタ認知能力を鍛えるためのアドバイス
ここでは、塾や家庭教師で実際にどのようなアドバイスをしているのかを書いていきます。
ただしメタ認知能力を高めることは、すぐにできるようになることではありません。
毎日少しずつ続けていれば、だんだん伸びてきますので結果を焦らず急がず、毎日継続してやっていってください。
(1)生徒の考え方を尋ねる
問題が解けなくて生徒が悩んでいるとき、まずは「あなたはどう考えたの?」と尋ねます。
仮にその返答が支離滅裂だったり、的を射ていない答えだったとしても、「自分はこう考えた」と口で言うことのできる生徒は伸びていきます。
いっぽう、メタ認知能力が乏しい生徒は「どう考えた?」の質問に対して、たいてい黙りこんでしまいます。
黙ってしまう生徒に対しては「考え方を式にして書いてごらん」「図にしてごらん」
などと具体的に指示し「こう考えた」と言いやすいレベルまで落とし込んでていきます。
「あなたはどう考えたの?」という問いによって、生徒は「自分はどう考えたのか」を考えなければいけません。自分で自分の考えを客観的に見つめなければならないのです。
これを繰り返していくと、少しずつ自分を客観視できるようになり「どう考えたの?」という問いかけに答えられるようになります。
メタ認知能力が高くなると、「あなたはどう考えたの?」という問いかけから、自分の考えを整理し、教えてもらわなくても自分の間違いに気が付くようになります。
(2)どうして間違ったのかを考えてもらう
生徒にはできるだけ、模試や定期テストの勉強で間違った問題に対して、なぜ間違ったのかを考えさせて書かせるようにしています。
人から間違いを指摘されるだけでは、メタ認知能力は高まりません。
どうすればいいかを自分自身で考えることによって、客観的な視点が養われるようになります。
勉強が苦手な子の反応
— 篠田くらげ (@samayoikurage) July 18, 2019
生徒「これがわかりません」
私「最初に何をするの?」
生徒「3」
私「何をしたのか日本語で説明することはできる?」
生徒「普通に計算して……」
私「普通って何?」
生徒「3じゃないんですか」
私「ちがうな」
生徒「あっ、5ですか?」
私「まず最初にすることは?」
(3)得意不得意を踏まえ、受験対策を考える
受験生には、自分の得意科目不得意科目を踏まえた上で受験対策を考えるよう指導しています。
例えば数学で点数が取れないから、代わりに得意な英語で点を稼いで、数学の失点をカバーできるようにするとか、そういうことです。
自分を正確に分析し、得意不得意を認識しながら、志望校に合格するための対策法を考えること。これがあってはじめて入試で戦えるようになるのです。
(4)セルフモニタリング
メタ認知能力を鍛えるための方法として効果的なのが「セルフモニタリング」です。
自分のとった行動を毎日、箇条書きで記録していきます。そして、その行動記録の中に、何度も繰り返しとっている共通の行動がないかをチェックします。共通の行動が見つかれば、なぜそうするのか、どういうときにその行動を起こすのかなどを客観的に分析していきます。
これもすぐに結果が出てくるわけではありませんが、毎日続けることによってだんだんとメタ認知能力が向上していきます。
おとなの学習において
メタ認知能力が高い人は自分を客観視できます。そのため、目標達成のためには自分には何が不足していて、どうすれば解決できそうかを考え、自分の課題解決に向けてスマートな手段をもちいて行動することができます。
逆に、メタ認知が低い場合は、自分にとって何が課題なのかを把握できないため、膨大な量を膨大な時間をかけて、こなしていくしかなくなるのです。
例えば3ヶ月後のTOEICで取りたいスコアがあるならば、自分の現在の能力を把握し、目標スコア達成のためには何をすべきかを考えるのです。
メタ認知能力に優れている人は、自分の現在の能力をきちんと把握しています。だから、目標スコア達成のためには、何をどのくらいやればいいのか考えて学習していくことができます。
また、目標に届きそうにないと判断した時点で細かな軌道修正を加えていくこともできるため。より効果的に学習することができます。
自分を客観的に分析できる力(メタ認知力)がある人は、英語力が伸びるのが早い。
— すけさん@英語コーチ (@diveintoenglis1) 2019年7月23日
今の自分の課題とその解決策を見つけられるから、トレーニングに迷いと無駄がない。
課題を見つけられない人は気合と根性で非効率さを膨大な量で補うしかない。

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