Cocoです。
私が受け持つ生徒さんの多くは、学習面に著しい遅れがある状態です。
個人的には、学習障害やADHDの生徒さんなどの指導は慣れてはいます。学校現場においてもそういう児童は一定数いますし、家庭教師や塾で講師として働いていても出会うからです。
ところが、保護者の方からすれば、どのような視点で先生を選べばよいかがわかりにくいですよね。ただでさえ、子どもに合った家庭教師を探すのは難しいのに、特に子どもが発達障害などの特徴があると、なおさらです。
そこで今回は、発達障害を抱えた子どもに合う家庭教師の探し方について書いていきます。
- 発達障害の子どもは増えている
- 発達障害の子どもには塾より家庭教師が向いている理由
- 発達障害の子どもには、自尊心を尊重してくれる家庭教師が必要
- 心理学や特別支援教育を学んだ家庭教師の先生を探す
- 発達障害の生徒を指導する家庭教師の実績
- 子どもが楽しく意欲的に学習できる家庭教師を探そう
- 家庭教師を雇うための3つのアドバイス
- 発達障害の子どもにプロの先生を雇うべきか?
発達障害の子どもは増えている
2017年の文部科学省の調査では、全国の公立小中学校で「通級による指導」を受けている発達障害の児童・生徒の人数は5万5000人おり、この5年間で約1.8倍に増加しているとのことです。
Cocoも現在、学習障害と診断された児童の学習支援を家庭教師で行っています。
発達障害の子どもには塾より家庭教師が向いている理由
一般論にはなりますが、発達障害の子どもは環境の変化に弱いという特徴を持っていることが多いです。
例えば個別指導塾などでは、毎回指導を担当する講師が変わることもあります。環境の変化に弱い場合は、先生が変わるとパニックになってしまうことがあります。
いっぽう、家庭教師であれば、基本的にずっと同じ先生が担当し続けます。
原則としていつも同じ曜日、同じ時間に、同じ先生から授業を受けることのできる家庭教師は、環境の変化につらさ・しんどさを感じてしまう子どもには向いていると言えます。
発達障害の子どもには、自尊心を尊重してくれる家庭教師が必要
長く発達障害の子どもの学習指導をしてきて思うことは、自尊心の低い子どもが多い、という点にあります。もちろん発達障害と診断されていない子どもの中にも、自尊心の低い子はいますが、とりわけ何らかの発達障害を抱えている子たちは自尊心が低く、「どうせやってもできないから」と諦めてしまっている子が多いように感じます。
家庭教師を探す場合は、ただ学習の遅れを取り戻すだけでなく、その子どもが何が得意で何が苦手かを正しく理解し、見極め、自尊心を尊重する指導ができそうな先生を探すと良いでしょう。
心理学や特別支援教育を学んだ家庭教師の先生を探す
まずは、心理学や特別支援教育を学んだ家庭教師の先生を探してみることをおすすめします。障害についての知識や理解があり、かつ同じようなケースの子どもの指導を担当した経験がある可能性が高いからです。
また、大学で小学校教育について学んだことのある(小学校の教員免許を持つ)先生も、一般的には特別支援教育や心理学についてある程度学んでいるため、おすすめです。
発達障害の生徒を指導する家庭教師の実績
発達障害の子どもを指導する家庭教師の実績はバラバラです。もしかしたら、華々しい合格実績がない方も多数存在しているのではないかと私は思っています。
というのは、発達障害の子どもに家庭教師を、と考えて依頼される保護者の望みは、家庭によって全く異なるからです。
例えば学校の学習の補習をしてほしいという場合もありますし、次の日の学校の準備ができない子どもに、準備のやり方を教える家庭教師もいます。
私自身は、学校から配布されたプリント類の整理のしかたを教えた経験もあります。
学習指導というより、日常生活を問題なく、しっかり送ることができることを望む保護者も多いです。
保護者が求めるものは、その子どもによって異なります。ですから、華々しい合格実績がない家庭教師もいるはずです(少なくとも私はそのひとりです)。
子どもが楽しく意欲的に学習できる家庭教師を探そう
心理学や特別支援教育を専門的に学んできた家庭教師は少ないです。探してもなかなか見つからないかもしれません。
そんなときは、子ども自身がその先生に教わりたい、と思っているかどうかを基準に家庭教師を選んでみることをおすすめします。
子どもが毎回の授業を楽しみにしているなら、子どもは学習に対して努力をします。楽しいから、好きな先生に褒めてもらいたいから、子どもは頑張ります。
子ども自身が、この先生から学びたいと思えるかどうかが大切です。
家庭教師を雇うための3つのアドバイス
ここからは、具体的に「子どもに合った家庭教師をどう見つけるか」について書いていきます。
1.2~3社の家庭教師業者、個人契約なら2~3人の先生を比較する
家庭教師の業者は様々です。教材販売がメインの会社もあれば、そうでない会社もあります。個人契約となると、学生講師、社会人講師(副業として家庭教師をしている先生)、プロの講師まで、かなり幅広いタイプの先生がいます。
費用面で言えば個人契約で学生講師を探すのが最も安くなります。ただ、個人契約にするか業者に派遣を依頼するかは、それぞれのメリット・デメリットをよく考慮した上で決めるようにしてください。
業者に家庭教師の派遣を依頼する場合は、何社かに資料請求をしてから検討しましょう。そうすると、価格や特徴を比較できます。
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2.体験授業は2~3人以上にしてもらう
資料請求を複数の業者に行うのと同様に、体験授業もいくつか受けてみてください。
個人契約の場合、比較されるのは当たり前のこと。
先生側は比較されるということについて、ほとんど気にしていません。
家庭が先生を比較検討して結論をだすのは当たり前のことです。だから、結論を焦りすぎないでください。
業者から派遣してもらう場合、体験授業や交通費の規定は業者によって異なりますので、事前に確認しておくといいでしょう。
また、業者としては、できるだけ早く契約してもらいたいと考えますから契約を急がせることがあります。
ゆっくり検討しても問題ないですから、 業者の営業さんに言われるがまま決めてしまわないようにしましょう。
先生の中に、「この先生にお願いしたい」と子どもが感じた人がいたら、その先生にお願いしましょう。
3.これでも先生が見つからなかったら
業者に派遣を依頼する場合は、再度他の先生を探してほしいと家庭教師の業者に聞いてみてください。都市部であれば先生の登録数も多いので、紹介してもらえると思います。
住まいが地方で、なかなか先生が見つからない、という場合は、Skypeなどのインターネットビデオ通話を利用して指導してくれる先生を探してみるのもひとつの方法です。
最初は面倒に感じるかもしれません。でも、この3つポイントを意識して探してみると、子どもの成績を上げてくれる先生に出会うことができます。
適当に選んで、成績が上がらない、こんなはずじゃなかった、と、あとで悩むよりも、最初に苦労した方が良いです。
発達障害の子どもにプロの先生を雇うべきか?
「発達障害の子どもだから」プロ家庭教師でないと成績が上がらない、ということはありません。障害の有無にかかわらず、そして先生がプロかどうかにかかわらず、子どもに合う先生を見つければ、子どもの成績は上がります。
もちろん、プロの先生はとても素晴らしい先生が多いです。また、指導経験が豊富なので慣れている、というケースが多いですよ。
プロの先生の場合、その指導が直接自分の信用・収入に直結するのですから。
素晴らしい先生に出会うと、成績はすぐに上がります。ただ、どれだけ素晴らしい先生であっても、子どもと相性が合わないと成績は上がりません。
特に、発達障害を抱えた子どもの場合、好き嫌いが激しいことが多いです。相性の合わない、嫌いな先生に当たると、どれだけ指導力があっても成績は上がりません。
子どもが「この先生から習いたい!」と思える先生を探しましょう。